フードコーディネーター東京へ行く。
2023.3.17
早い。
前回の更新から、ひと月。
このブログは各自、月イチで持ち回りのはずだが
感覚だけで言わせてもらえば、前回の執筆は先週、といったところである。
特に3月の私のバタつきは半端なく
ブログリーダー三星に、
後生です!と遅延の許しを乞いたい気持ちは山々であるが
この更新はひと月前から決まっているのである。
いや、ひと月前どころか、スタッフで共有しているGoogleカレンダーにはなんと10年先も20年先もこのブログ更新のみ、
果てしなく予定が組み込まれている。
ちょっと怖いような気もするけど、
ナッツカンパニーは永久的に安泰、ということであろう。
ちなみにこのカレンダーを見て大阪人のカネエは
「長生きせなあきませんねえ」と言っていた。
さて、私は先週、古巣の東京へ4日間の視察旅行に出かけた。
(現在バタついている理由はこれのしわ寄せである)
長女が京都の大学に進学してからというもの、
旅行先は東京よりも関西が先になりコロナ禍もあって訪れるのは実に約2年ぶり。
最近は大阪や京都の人混みですら半日も歩けばどっと疲れてしまい、
東京はもはや適応できない身体になってしまっているのではないかと少々不安だったが、
さすが、25年も住んだ街だけあって、あっという間に馴染むことができた。
今回のミッションは、“とにかく洒落たところに行きまくる”ことである。
私は2年間の渇きを埋めるかの如く、六本木、青山、表参道を中心に話題のレストラン、おしゃれなカフェ、人気のパン屋、あらゆるところを巡った。
東京で生活していた頃は単に遊んでいただけで、見慣れた景色に刺激を受けるなんてことはなかったが、離れて眺める東京は、
見るもの、食べるもの、接するもの、全が圧倒的であった。
当たり前のことであるが
東京の食は、抜群にスタイリッシュで、究極にお洒落で、とてつもなく洗練されていた。
なるほど。フードコーディネーターとしてちょっと顔と名前が知られてきたからと言って、熊本で調子に乗ってる場合じゃない。
日頃の慢心や油断を猛省した私は、最終日、代官山にある食の洋書を数多く取り扱っている書店へ駆け込み、
スタイリングの見本になるような分厚いハードカバーの本を数冊購入した。
いずれも海外から取り寄せなければ購入できない料理本である。
おかげで帰りのスーツケースの重さときたら、
墓石を入れてもここまであるまいと思うほどで、駅構内の階段など、手や腕はおろか、腰までもちぎれそうだったけれど、そんな泣き言は言ってられない。
この洋書の料理を片っ端から真似して勉強をし直すのだ!!!
ナッツカンパニーは誰にも負けない洒落たスタイリングと人気のレシピを身につけるぞ!!!
帰路につく私の足取りは軽かった。
そう、足取り軽く新宿の改札を駆け抜けた時、悲劇は起こった。
墓石スーツケースにつまづいた私はラッシュの新宿駅改札で思い切り派手に転んだのである。
それは、両手を地面について倒れたとか、よろめいて転んだとかいうなまなかなものではなく、
まず豪快に吹っ飛びながら膝をつき、その後も止まることは出来ず2メートルほど手と肘を使いつつ跳ね、最終的に大の字に寝そべるという、
まるでひとりで柔道の打ち込みをしているかのような大変な転び方であった。
大袈裟でもなんでもなく、一瞬、膝が割れた。と思った。
辺りには、スーツケースに入りきらなくなってカバンに突っ込んでいた汚れた洗濯物やお土産のパン、お菓子が放り出され、散乱し、
その場でわーっと泣きたくなったが、まさか本当に泣くわけにもいかず、
かといって笑うわけにもいかず、
私はヨロヨロと立ち上がり、洗濯物やパンをかき集めた。
通勤を急ぐの都会の人たちの目にこの大惨事は映っていないようで
声をかけてくれたのは「Are you OK?」と心配そうに覗き込んでくれた外国人ただ一人である。
帰ってきて2週間が経ち、膝の青タンは目立たなくなった。
洋書のレシピを再現し、毎日写真を撮って勉強しようと心に誓って戻ってきたはずなのに、目の前の業務に追われ本をめくることすらままならない。
刺激も、痛みもこうしてあっという間に忘れてしまうのだろう。
頭の片隅に残る東京の、あの、洗練された世界を心に留めておくには、間をおかず、再び大都会・東京へ足を運ばねばなるまい。
そしてその世界を、スタッフ全員で共有しなくてはならない。
ナッツカンパニー東京視察旅行。
別の意味で、刺激的な旅になりそうである。
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