なんと、52歳になってしまった。

 

 

髪を切ったり、色を染めたり、流行りのメイクや服装にどれだけ気を配ろうと、太らないように必死の思いで日々節制したとて、誰がなんと言おうと、52歳は52歳。

 

立派な中年女性である。

 

 

 

 

今から９年前。

 

 

大きな決意をもって熊本に移り住んだとき、同じ時期に起業した友人と誓い合ったことがある。

 

 

 

 

ここから10年、とにかく40代は必死で頑張ってさ、休みなんか無くてもいいじゃない！死ぬ気で頑張ろう！50代になったらお互い子供も成人するんだから！50代はもう自分のことだけ考えて、楽しく二人で旅行とかしながら幸せに生きようよ！充実した50代のために私は頑張るよ！！！

 

 

 

 

 

 

とーーーーこーーーーろが、である。

 

 

子供は確かに成人した。成人はしたが、成人した、というだけで相変わらず心配もお金もかかる。

 

仕事は、おかげさまでそれなりに順調とはいえ、法人成りということもあり日々数字と睨めっこ。

 

あの企画はどうしようと考えながら眠りにつき、あの見積り困ったなと思いながら目が醒める。

 

比喩でもなんでもなく、これが50代の現状であり、私なりに死ぬ気で頑張った40代をさらに数段上回る努力と根性がなくては生きてはゆけぬという事実を身にしみて感じている。

 

 

10年前の戯言は、五十路と呼ばれるこの年代がどういう年齢なのか、知らないからこそ言えた甘い幻想であった。

 

 

 

 

現在、立派な中年として社会的立場は重く、追い込まれる状況になることも多いが

 

それでも、私はよく喋り、よく人を笑わせ、人から笑われ、量こそ減ったものの、よく食べ、よく呑む。

 

毎日楽しくないか？と言われればそこそこ楽しく

歳に合わない信じられないような失態やポンコツを繰り返しても、愛嬌で誤魔化しつつ許しを乞い

 

虎穴に入らずんば虎子を得ずの精神でさまざまな困難を乗り切っている。

（ちなみに最近は海外でクレジットカードを無くした）

 

どれほど大変であっても面白おかしく生きていられる理由は、好きなことを仕事にできたという救いと

地道に頑張ってきた努力が少しづつだが報われてきたように思えるささやかな喜びがあるからかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

料理の世界は比較的寿命が長いとされているものの、今のペースで働けるのもせいぜいあと10年やそこらであろう。

 

ナッツカンパニーにおいては、料理とクリエイティブの間を行ったり来たりしている特殊な業種であるから、間違いなく、そう遠くないうちに自分の創造するあらゆるものが時代のトレンドにそぐわない時がやってくる。

 

なんか、夏子さん最近ババくさくね？と陰口を叩かれる前に、潔く第一線を退き世代交代せねば、との思いはこの誕生日を迎え益々強まった。

 

事業のあり方も含め、成長させつつ堅実な経営を目指す、というのは非常に難しい課題であるがこれまで以上に仕事には真摯に取り組み、信頼してもらえる企業を目指し頑張っていこうと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後に、この度たくさんのメッセージを含め、色々な方に誕生日をお祝いしていただきました。

本当にありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

どこまで駆け抜けられるかわかりませんが、52歳の渡辺夏子もどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

 

23歳の娘より。相変わらず字は小５。メッセージは処方箋の裏紙・・・・

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