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沖縄旅行記① 〜ひめゆり平和祈念資料館〜

2025.4.23

4月に入り、年度末の仕事がひと段落したので2泊3日の沖縄旅行へ出かけた。

誤解のないよう断っておくが(誰に)今回の旅の目的はリゾート地における食文化と最高のホスピタリティーを学ぶための研修、いわば歴然とした視察である。

 

 

 

 

 

実は今年に入り大変な忙しさで、3ヶ月ほど休みもなく働き続けた結果、3月末から4月頭にかけ扁桃炎と気管支炎を併発し2週間ほど体調を崩した。

息を吸うと胸の奥が痛み、発熱を繰り返した。

激痛でいよいよ寝返りも打てなくなったときは、これはもう間違いなく肺結核だ。そのうち血を吐いて、きっとそう長くは生きられないのだ、と本気でビビっていたくらいである。

 

 

 

 

もちろん、仕事が落ち着いたと同時に症状は緩和され、人間ドックでは何のことはない、超健康と太鼓判を押されたわけだが、

フードコーディネーターとしてただでさえ引き出しが多いわけではなく、たいした能力があるわけでもない私は,この数ヶ月のアウトプットの連続で心身共にすっからかんになってしまった。

 

 

 

リフレッシュも兼ね少し熊本を離れたい。

くたくたの心と身体を休ませながら楽しくインプットしたい。

 

 

どこかへ行こう、行かなければ、と決めた理由はそれである。

 

 

場所はどこが良いかとあれこれ思案した挙句、行き先はこれまで一度も訪れたことがない沖縄に決めた。

繰り返し断っておくが、休暇ではない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あくまでインプットのための視察、である。(税理士さんへ)

 

 

 

 

 

 

さて、初めて訪れた沖縄は、筆舌に尽くし難い素晴らしさであった。

 

 

その魅力は今さら私が語るまでもないであろう。

 

毎年沖縄に行くと言っていた友人達の言葉の意味はよく理解できたし、51年間一度も沖縄を訪れなかったことがとても悔やまれ、大変な損をしていた気になった。

 

 

4月半ばというこの時期はギラギラとした常夏の沖縄を感じるには少し物足りない季節であったかもしれないが

暑さが苦手で海に入ることを目的としていない私にとっては、案外ベストな選択であったように思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

早朝便で福岡から飛び立ち、午前10時には那覇空港に降りたった私は、沖縄の素晴らしい景色や美しい壮大な自然、エメラルドグリーンの海を満喫する前にどうしても訪れたかった場所があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

沖縄南部糸満市にある博物館、ひめゆり平和祈念資料館である。

 

 

 

私が自身の記憶を遡ったとき、読書の面白さのようなものを初めて感じた本は、小学4年生の時に本屋さんで買った“ひめゆりの少女たち”という文庫本であったように思う。

 

 

これは沖縄戦を生きたひめゆり学徒隊の悲劇を事実に基づいて描いた本である。

 

偕成社文庫から出版されている児童向けの文庫本であったので、当時10歳の私でもとても読みやすく、難しい表現などは一切使われていなかった。

 

1日の食事は卓球ボールくらいの大きさのおにぎり1個、兵隊さんは水が欲しくて自分の尿を飲んでいたという描写が特に衝撃的でその下りを何度も何度も繰り返し読んだ記憶がある。

 

昭和48年という豊かたな時代に生まれた10歳そこそこの私が、戦争の悲惨さや当時の時代背景をどれほど理解できたのか、今にして思えば甚だ疑問ではあるが、内容を暗記できるくらい読み込んだ後、クラスの友達にも読んで欲しくなり、学級文庫に寄贈した。

 

 

 

 

 

 

 

本を読んだ男子達がおしっこの話をふざけながら面白おかしく話していたのを今でも覚えている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから、40年。

 

ひめゆり平和記念資料館の入口にある祭壇に献花した際は、さすがに込み上げるものがあり涙が溢れた。

 

 

 

 

館内は平日にも関わらずたくさんの来館者で溢れ、中にはアメリカ人と思われる団体の観光客もいて、生き残ったひめゆり学徒隊の証言VTRを見ながら涙を流していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

40年の思いを乗せ訪れた場所で、何を感じたかをうまく表現できる文才がなく語り尽くせぬ歯痒さはあるが、最も印象に残ったのは、

ひめゆり学徒隊として生き残った証言者の

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦争は誰も得をしません。

ただ、多くの人が死んだだけです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

という言葉である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひめゆり平和記念資料館は、沖縄の解放感とは無縁の、楽しさなどは微塵もない、ただ過去の過ちを振り返るため場所に違いないが

この博物館が未来永劫存在し、国内外問わず、一人でも多くの方がこの地を訪れてくれることを心から願っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここまで書いて、大層脱力したので、この旅行記はまさかの連載となる。

 

次回は2000年に沖縄サミットが開催されたことでも有名な、最高のラグジュアリーリゾートホテル”ブセナテラスの素晴らしさ”について。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

くどいようだが繰り返す。

 

この旅はフードコーディネーターとしての研修と視察、である。

 

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