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【男性中心企業の終焉】を読んで

2023.10.27

前回のブログに辻脇が記していた通り、今月はありがたいことに過去イチの忙しさであった。

 

 

 

 

 

 

無事になんとかここまで乗り切ってこられたのは、

スタッフの頑張りと成長があってこそだと実感している。

そんな中、このブログ更新が滞っていないのはちょっと驚きであるが、(Instagramは手が回らず放置状態・・)

今回ばかりはさすがの私も、代表の特権“多忙につき一回休み”カードを使おうかと思ったが、そんなものは存在しないので、頑張って書く。

 

 

 

さて、ナッツカンパニーは、地方都市熊本の小さな小さな組織である。

 

年明けには法人化を予定しているが現時点はまだ個人事業主であり、スタッフを抱えているとはいえ、私自身に経営者としての資質が十二分にあるとは言い難い。

 

ましてや、目指す組織のあり方など、考え始めても分からないことだらけで日々手探り状態である。

 

 

 

そんな私が、タイトルにあるこの本を読んだのは先週であった。

 

定価にして980円のこの一冊が、大袈裟でもなんでもなく、

 

初めて海外旅行に行った時よりも、

大規模な災害にあって命からがら逃げ出した時よりも、

 

自分の人生観を大きく変えてくれたように思う。

 

 

 

男性中心企業の終焉 (文春新書 1383)

 

 

 

【男性中心企業の終焉】

 

この、いささか挑発的でセンセーショナルなタイトルに気分を害する中高年男性は少なくないだろう。

これは、昨年出版され話題となった元AERA編集長浜田敬子さんの著書である。

 

浜田さんは現在フリーランスのジャーナリストであり

私は以前からメディアを通して拝見する彼女の、聡明でありながら柔らかい物腰と優しさ、分かりやすい言葉で伝えてくれるジェンダー問題やダイバーシティに関する考え方などに非常に好感を持っていた。

 

彼女の著書は他に、

 

「働く女子と罪悪感「こうあるべき」から離れたら、仕事はもっと楽しくなる」

 

というものがあるが、いずれもタイトルだけを紹介すると

男女平等にムキになっているやや癖のあるフェミニストが愛読する本、という印象を持たれるかもしれない。

 

 

 

しかし、読み進めていくとまず、その膨大な取材の量と事例、データとして表れた数字の冷静な分析に圧倒され、

 

決して無駄に女性の権利ばかりを主張し、

社会を牛耳っている中高年男性をこの世から排除したいというような内容ではないことがわかる。

 

ジェンダー問題の根幹にあるものは何か、

これからの企業にダイバーシティが必要不可欠な理由、

結婚して子供を産んでも、キャリアを真剣に考えられる女性の働き方、

時代が求める良いリーダーとは?

リモートワークが変えた意識

 

など、働く人間であれば誰でも興味のある内容が、

分かりやすく、静かだが、ぐうの音も出ない程の説得力のある文章で綴られている。

 

 

 

 

本の帯には入山章栄氏の言葉で

 

「日本中の経営者・管理職に私が配りたい」

と書かれてあるが

 

読み終えたとき、私も

 

「熊本中の経営者・管理職に私が配りたい」と思った。

 

 

 

 

 

 

 

浜田さんは最後を

 

今10代半ばの娘が社会に出るころには、もっと女性たちが自身の未来を信じられる社会になってくれることを深く深く願っています。

 

という言葉で締めている。

 

 

 

 

 

私は、京都に住む現在就活中の大学3年の長女を想い、不覚にも涙がこぼれた。

 

 

 

 

読み終えた本は付箋と折り目とマーカーだらけであるが、

私の人生のバイブルとして、指針として、一生書棚に置きたいと思っている。

 

 

 

 

 

 

 

文藝春秋より発行 【男性中心企業の終焉】 ぜひ、ご一読を。

 

 

 

 

 

 

 

 

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